南アフリカ経済の現状

南アフリカ経済の現状

先進国同様の経済構造へ

南アフリカ経済の発展は、19世紀後半の金・ダイヤモンドの発見に始まります。 高度な鉱業技術の導入と多くの移民によって、新たな経済圏が出現したのです。鉱業部門にもたらされた富は製造業へと、そして金融業へと流れて行き、これらの部門が発展しました。


ちなみに、2008年の統計では、GDPに占めるそれぞれの産業の割合は、第一次産業13%、第ニ次産業24%、第三次産業63%であり、先進国同様、南アフリカ経済も第三次産業の割合が高くなっていることが分かります。


南アフリカの代表的産業は、言うまでもなく鉱業ですが、2004年以降の経済成長の中で重要な役割を演じたのは、自動車産業や金融といった製造業とサービス業の分野でした。


最近の貿易構造の特徴としては、輸出では相変わらず鉱物資源が大きな割合を占めていますが、輸入に関しては、鉱業・自動車産業への投資拡大と関連して、機械類の割合が大きくなっている点が注目されます。


なお、2008年の主な輸出相手国は、

  • 日本(10.0%)
  • アメリカ(9.9%)
  • ドイツ(7.2%)
  • イギリス(6.0%)
  • 中国(5.3%)

であり、また輸入相手国は、

  • ドイツ(11.3%)
  • 中国(11.3%)
  • アメリカ(8.0%)
  • サウジアラビア(6.3%)
  • 日本(5.6%)

となっています。


ここ数年の経済成長率を見てみると、2006年5.3%、2007年5.1%と順調でしたが、2008年は世界的な経済危機の影響で3.1%に止まっています。 また、2009年の成長率はマイナス2%前後と予想されています。


ただ、2010年にはサッカー・ワールドカップ開催もひかえており、 その経済効果も勘案して長期的に見れば、2%台から3%台の伸びは、今後とも十分期待することが可能です。


GDPの中身で特徴的なのは、個人消費が約60%で、設備投資が約20%という点です。 要するに、この二つが南アフリカ経済を引っ張っているのです。もちろん、近年の経済成長をもたらした要因には、鉱物資源の価格が高騰したこともあるでしょう。


さらには、海外企業の進出も要因の一つでしょう。しかし、ここで特に注目したいのは、黒人中間所得層が大量に生み出されているという事実です。 「ブラック・ダイヤモンド」とも呼ばれる彼らの出現によって、個人消費が大きく伸びているのです。


貧困な黒人層から中間所得層が出現したのは確かに重要なことですが、これからも今まで同様に南アフリカが発展するためには、 何と言っても、25%にもなる失業率の改善が緊急の課題です。 もしこれを改善できれば、さらなる内需の拡大をもたらし、南アフリカ経済は持続的な発展を遂げると考えられます。

インフレとの戦い

世界の中央銀行では、インフレターゲット政策を採用する国が増えています。 インフレ率を何%〜何%の範囲に維持することを目指して金融政策を採ろうという考え方です。南アフリカでも、2000年からこの政策を採用しています。


2002年11月以降は、3%〜6%の範囲を目指して金融政策を行っていますが、国内投資の状況や、ランドの為替レートの問題など様々な状況が存在し、完全に目標が達成できているわけではありません。


実際、インフレ率を下げるために利上げを行っても、世界的なインフレ状況やランド安による輸入インフレが重なれば、 インフレ率を下げることはできませんし、国内消費が順調に伸びている状況であれば、金利の引き上げは、例えば個人消費の伸びに水をさす結果にもなり、ひいては国内経済に悪影響を及ぼしかねません。


最近の統計で消費者物価の上昇率を見ていくと、2006年4.6%、2007年7.2%、2008年11.5%と推移しています。 これを見ても、インフレターゲット政策通りにインフレ率を維持するのが、いかに困難な作業であるかが理解できます。

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